過払金返還請求手続
過払金返還請求手続に必要な費用は?
詳細な費用につきましては、当事務所の報酬表ページ(下記のリンクより直接ご覧になれます。)をご参照ください。
「過払い金」とは?
近年、テレビCMなどで盛んに取り上げられている「過払い金」とは、簡潔に言うと、いわゆる消費者金融業者等の貸金業者に「払い過ぎたお金」をいいます。
では、どうして「払い過ぎる」ということが起こるのでしょうか?いわゆる「過払い金」発生の仕組みには、利息制限法・出資法・貸金業法という3つの法律と近年の最高裁判所判例の解釈が大きく関わっています。
「過払い金」が発生する仕組み
まず、当事者間のお金の貸し借りに関するルールを定める利息制限法は、お金の貸付の上限利率を以下のように定めています。
① 元本が10万円未満の場合 → 上限利率は年20%
② 元本が10万円以上100万円未満の場合 → 上限利率は年18%
③ 元本が100万円以上の場合 → 上限利率は年15%
一方、出資法は、貸金業者についての貸付のルールとして、かつて、年29.2%を超える利率(現在は年20%を超える利率と法改正されました)でのお金の貸付けを禁止し、これを行ったときは刑事罰の対象としていました。
これらの法律から分かることは、年29.2%を超える利息で貸付けを行わない限り、貸金業者は罰されないということです。そうだとすると、利息制限法の定める上限利率以上で貸し付けたとしても、年29.2%の範囲内であれば出資法上違法ではないことになります(いわゆる「グレーゾーン金利」というものです。)
そして、やっかいなことに、平成18年に改正されるまで、利息制限法は、利息制限法を定める上限利率でも「任意に」支払った場合は、その超える利率については返還を求めることはできないと定めていました。また、貸金業者に関するルールを定める貸金業法も、利息制限法を超える利率を債務者が「任意に支払った」場合は、金融業者がその利息を受け取っても民事上有効である旨を定めていたのです。
しかしながら、最高裁判所判例は、①利息制限法を超える利率を超える利息は無効であり、②借主が任意に利息制限法を超える利率での利息を支払った場合は、その超えた分の利息の支払いは、残った元本に充てられる旨判示しました。また、③貸金業法にいう「任意」についても極めて厳格に解釈し、利息の受け取りが有効となることはほとんどないような判示をしています。
判例の立場によれば、計算上は実際よりもだいぶ早く完済することになります。加えて、最高裁判所判例は、制限超過分の利息を元本に充てて計算上完済した後に、債務者が支払った金額(これがいわゆる「過払い金」)を貸金業者が受け取った場合、それは「法律上の原因なく」受け取った利益(「不当利得」といいます)にあたり、債務者は返還請求ができると解釈したのです。
したがって、法改正が行われた平成18年よりも前に、上記の利息制限法の上限利率を超える高い利率で借入れを開始し、長期にわたり返済をしていた場合は、「過払い金」が発生する場合がございます。特に、完済しているケースでは、計算上「過払い金」がほぼ確実に発生いたします。
もっとも、発生するか否かはケースにより異なりますので、お気軽に当事務所までご相談下さい。
当事務所に過払金返還請求手続をご依頼する場合の流れ
1. 来所・ご相談
過払金の返還請求をご検討された場合、まず、お電話か当事務所ホームページにありますお問い合わせ欄からご予約いただき、ご相談者本人様に当事務所にお越しいただきます(初回相談料無料・1時間程度のお時間を頂きます)。
面談時には、担当司法書士が詳しい話を伺い、ご相談者の方と取引していた貸金業者(消費者金融会社・クレジット会社など)の情報を把握いたします。また、過払い金返還請求手続きに関し、ご相談者様の場合に沿って、事件の見通しなど詳しいお話をさせていただき、ご相談者様の疑問点やご不明な点を解消し、ご納得いただけるように努めます。
そのうえで、ご相談者様には、当事務所にご依頼していただくかを決めていただきます。ご依頼していただいた場合、以下の手続きに移ります。
2. 調査・過払金返還請求手続き
当事務所に依頼することが決定すれば、当事務所の司法書士が「受任通知」を各貸金業者に送付します。この受任通知を送ると、貸金業者は、ご依頼者様の今までの取引の明細を司法書士に提出する義務があります(加えて、仮に債務が残っている場合、本人に取立行為をすることはできなくなります)。
受任通知送付後、一定期間後(約1~3ヶ月)に、取引履歴(○年○月○日にいくら借入れ、○年○月○日にいくら返したかが最後の取引日まで日付順に表になっているもの)が業者側から開示されます。
取引履歴の開示を受けて、上で説明したように、利息制限法の上限利率に従って、過去の取引すべてを計算し直します(これを「引き直し計算」といいます)。この計算により、ご依頼者様に「過払い金」が生じているか分かります。
引き直し計算の上、過払金が生じている場合は、その金額をもとに、当該貸金業者に返還するように請求いたします。
① 任意の話し合いにより業者と折り合いがついた場合
→ いわゆる「和解契約」を締結します。この場合、合意の内容にしたがって業者から過払い金が返還されます。
② 任意の話し合いで業者と折り合いがつかない場合
→ 裁判(訴訟)を起こして、業者に返還するように求めます。
※ 過払い金の返還請求のご依頼を受けて、いつ頃過払い金が戻ってくるかについては、ケースにより異なりますが、多くは半年~1年くらいとされています。
3. ご精算
任意の交渉又は訴訟により業者から過払い金が返還された場合、業者からお預かりした過払い金をご依頼者様にお返しいたします。この際に司法書士の報酬(手続報酬金・成功報酬金)を差引いてお返しいたします。あらかじめご了承ください。
報酬金額の具体的な算定方法については、上記の「過払金返還請求に必要な費用は?」の欄のリンク又は当事務所の報酬表ページにてご紹介しています。ご参考にしてください。
過払金返還請求をご検討する上でのご留意点
過払い金の返還請求をご検討されている方は、以下の点にご留意ください。
1. 過払い金の返還請求にも期間制限があります!
過払金が発生している場合、過払金を返還請求することができるのは、最終取引日(多くは、最後の返済日)から10年までとされています。したがって、最終取引日から10年経過後は、過払金の返還請求をすることはできなくなります。
2. 過払い金が計算上生じていても、返還を受けられないことも・・・。
業者によっては、多くの過払金返還請求を受けているため、返還を応じるに十分な資力がなくなってしまっている(いわゆる倒産寸前の)回収困難な業者もございます(当事務所では、回収困難な場合、手続報酬金・成功報酬金を頂いておりませんので、ご安心ください)。
3. 過払い金が戻ってくるまでにお時間がかかる場合がございます!
大手の消費者金融会社であっても、任意の交渉により過払金の返還が業者側からなされない場合は、訴訟により返還請求を行うことになります。最近では、任意の交渉で過払金が業者側から返還されることはほとんどありません。訴訟手続きに移行する確率が高いです。この場合、返還までお時間が任意交渉よりもかかってしまう可能性があるといったリスクが生じます。
4. 司法書士の代理権について(法律上の限界)
当事務所を含め司法書士に過払い金の返還請求手続きをご依頼される場合、過払い金の額が貸金業者1社あたり140万円を超えると、司法書士は、ご依頼人の代わりに裁判を行う代理権はございません(ただし、裁判所に提出する書類(裁判書類など)を作成することはできます)。この場合、ご依頼人本人様に裁判の日に裁判所に出廷していただいたり、業者と交渉していただくといった手間が生じます。